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陸王に出てきた勝ち虫のはなし

クリスマスイブは陸王がテレビをジャックしましたが
観られてましたか?

私は今期のドラマは「陸王」と「コウノドリ」だけ
しっかり録画して、観ておりました。

「陸王」はやっと最終回ですっきりし、
「コウノドリ」はなんかメンバーがそれぞれ旅立ち
ちょっと寂しい気持ちになりました。

いつまでも同じ居心地がいいままでは
成長できないから変わらないといけない。

わかっているけど何だか切ないものです。

 

たまにはこういう俗世っぽい話題もいいかと思い、
昨日最終回だった「陸王」に出てきた
「勝ち虫」の話題など。

 

ドラマを見ていた方は「勝ち虫」が「とんぼ」だという事は
ご存知ですよね。

この「陸王」を開発する老舗足袋屋の「こはぜ屋」が
この勝ち虫のマークなんです。

さてこの「トンボ」がなぜ勝ち虫と言われていたのか。

トンボは前しか見えず、決して後を振り返ることもなく
前にしか進めないのです虫なのです。

その、前にしか進まず退かないところから、
「不転退(退くに転ぜず、決して退却をしない)」
の精神を表すものとして、
特に武士に好まれました。

でももっと昔、それこそ古事記にもトンボが出てきます。

「古事記」「日本書紀」では、
それぞれ本州を「大倭豊秋津島」「大日本豊秋津洲」
(おおやまととよあきつしま」)と呼んでいました。

トンボを秋津=秋の虫と呼んだように、
この島を「豊秋津島=豊かな秋の島」と呼んでいます。

有名なイザナギ、イザナミの二柱の神が
本州=大倭豊秋津島を生んだとする国生み神話ですね。

そして、トンボは
亡くなった人の魂やその生まれ変わり、
神や仏の遣いであるとも信じられています。

現代でも
「トンボを捕ると目が潰れる」
「お盆が来ない」など、
トンボを大切な生き物として
言い伝える地域が数多くあります。

高野山にも縁起物の勝ち虫が登場しました。
どこかご存知ですか。

こちらは2015年に新しくなった伽藍の
中門にいます、四天王。

増長天に「勝ち虫」が止まっています。

この四天王を彫られた仏師の松本明慶(みょうけい)さんが

「トンボは前にしか飛ばない。
決して退却しないぞ、という強い意志を示したかった」

ということで、つけたそうです。

もう一つ、


もう一体、広目天には「セミ」

この「セミ」は
どこまでも声が届くセミによって存在感を示し、
「すべてを見ている」ことを表しています。

ぜひ高野山に行かれるときには、チェックしてみてくださいね。

 

1月13日~15日には四国の結縁灌頂の後、
高野山に参りますよ。
まだ残席2席あります。

 

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