みちのくひとり旅~恐山編
さて、みちのくひとり旅の続きです。
佐井港から恐山へ
大急ぎで恐山へ向かいます。
16時までに来てくださいと言われていて、港を出たのが、14時半。
1時間半では着かないかも・・・
途中こんなオブジェがあるところを発見。
なんだろう?!と思ったら、産地直売所ふのりちゃんの横に建ってるオブジェでした。
結界門
恐山街道というとてもわかりづらい道を探しつつ、見えてきました。
さあ、ここからが霊場恐山の入り口です。
この門は通称「結界門」というそうです。
ここからが僧侶の修行の場で、俗世界とは離れる参拝者の心構えを即すような門なのだとか。
でも実はどなたでも参拝はOKなので、排除する意味ではありません。
三途の川
三途の川の手前には奪衣婆(だつえばあ)と懸衣翁(けんえおう)
これは知っておいたほうが良いお話です。
着ているものを身ぐるみはがして、重さをはかるのです。
重かったら悪業をしていたとみなされ、三途の川を渡る船を出してくれないとか。
そういう時に、御棺にお遍路の納経帳などを誰かにいれてもらっていると、奪衣婆が「こんな大切なものを入れてもらえるということは徳を積んだ人だ」という風に見てもらえるそうですよ。
自分で参った納経帳を入れてもいいですが、それは誰かから入れてもらえるほどの徳とは見なされない。のかも。
とはいえ、今は納経帳を入れさせてもらえない火葬場もあるそうです。
そういう場合は、88か所の納経を押した白衣を入れるといいですね。
こちらは三途の川です。
亡者が三途の川を渡るのはロウソクの明かりもない夜中だから、見えないから白い布をたどりながら渡るのだそうです。
そして通行止めになっていますが、この川を渡ってしまうと、向こう側が冥土だから帰ってこれなくなるそうです!
いやはや、知らないって怖い。
やっと恐山菩提寺本坊に到着
写真を見てもらってもわかるようにもう暗くなりかけてます。
でもまだ16時すぎです。
まずは受け付けで入山料500円を納めます。
受付の方に「今から参拝してもまだ大丈夫ですかね~」
と聞いてみましたが、もう暗くなるからやめといたほうがいいよ。
とアドバイスされ、参拝は次の日にすることにして宿坊へ。
宿坊へ
この境内の右手にあるのが宿坊だそうです。めっちゃきれい。
カラカラ・・と扉を開くと、どどーんとこんなロビー!
フロントの前もこんなに素敵なデザインです。おしゃれすぎる!
フロントでチェックインし、注意事項や外湯の説明を受ける。
今日は御法の湯が混浴。
花染の湯が男風呂です。
古滝の湯と冷抜の湯が女風呂だそうです。
お風呂は22時までだったかな。
この後夕食が大食堂で17時からあるので遅れないように。とのこと。
お酒は飲めませんが、お部屋で飲むのは自由です。
2階にお部屋がありますが、階段です。
2階にあがるとこんなスペースが。
さて、お部屋に着きました。こんなに広い廊下。
ポットにお湯が入ってましたので、後ほど持参したコーヒーを入れました。
洗面所はなんと2つ。確かに大人数で泊まったら2つあるといいですよね。
そしてお部屋はこんなに広い!
4~5人は一緒に泊まれる仕様になってます。
今回は団体さんもいなかったので、ひとりで贅沢に泊まらせて頂きました。
1人でも複数人でも、1名につき12,000円の良心的会計です。
えっ?宿坊で12,000円高いって思った方、この宿坊なら納得ですよね。
なんともう一部屋あるし。
さすがに広すぎて寂しすぎるので、ふすま閉めましたけどね。
ちゃんと浴衣やバスタオル、タオルも準備されてました。
ないのは冷蔵庫(ビール冷やしたかった)とテレビ。
こういうところはしっかり宿坊なのでした。
こちらが宿坊のきまり事です。
夕食には浴衣で行ってはいけません。
朝のお勤めは午前6時半。
お風呂は22時まで、朝は4時から開いています。
消灯時間は22時ですよ。などなど。
そんなに厳しいことは書いていません。
コーヒー飲んで、うだうだしていたら放送でお食事が始まりますと流れました。
夕食も修行
大食堂へ行くと、ずらっと席が決まっています。
さすがに全体の写真は撮りませんでしたが、結構たくさんの方が泊まられていました。
しかも、若い女性二人組とか、若い男性ひとりとか、あとは定年後のご夫婦など。
そしてお椀をすべて開けると、こんな素晴らしい精進料理が!!
私は肉より野菜が好きなので、精進料理は大好きなんです。
毎日誰かが作ってくれるなら精進料理でもいいくらいです。(自分では作らない)
曹洞宗だからお坊さんたちが作っているのでしょうか・・・
高野山の精進料理はプロの方に頼んでいると聞いてちょっとがっかりした覚えが。(いいんですよ。美味しいですから)
曹洞宗ではお食事も修行。
とはいえ、音を立てるなとかお坊さんにやるようなことは要求されません。
私たちは修行者ではありませんからね。
ただこの、食事五観をお坊さんと一緒に唱えます。
ひとつには功の多少を計り彼の来所を量る。
ふたつには己が・・・
という風に唱えていきます。
いつつには・・・が終わったら
頂きます。といって、静かに頂きます。
おしゃべりしている人はいません。
白米の量がおかずに対して少ないぞ・・・と思ったものの、おかずの種類が多くて、きっとお代わりすると食べきれないと思い、そのまま頂きました。
本当に食べ終わった時にはおなかいっぱいで、ごはんお代わりしなくてよかったって思いました。
そしてどれもすごくおいしかったです。
贅沢すぎる精進料理ですね。お坊さんたちはこんな豪華なものは食べないそうです。(あたりまえか)
外湯へいってみる
おなかいっぱいですぐにはいけなかったので、部屋でちょっと休憩して。
8時くらいにやっとお風呂に行こう!と外に出ました。
白く見えるのは外に流れている温泉の煙です。
硫黄のにおいもものすごいのです。
恐山すっごく怖いところ、と思っていたけど、あまりにおしゃれな宿坊で全然怖くなかったんですね。
ですが、外に出てこの写真よりもっともっと真っ暗なんです。
だからさすがにこのときは怖かったです。。。ひとりですし。。。
これは翌朝撮った外湯の写真です。
ここに真っ暗な時間に行きました。
誰もいらっしゃらなかったので、写真撮らせてもらいました。
もちろん洗い場はなく、服を脱いで入るのみ。
すっごく温泉成分がきついので、顔を洗ってはいけないとのこと。
眼に入るとえらいことになるそうです。
温度もちょうどよくて、すごく気持ちよかったなぁ。。。
すごい距離を車で走ってきましたからね~。
着替えるところはこんな感じ。
ザ・シンプル!
この外湯は宿坊に泊まらなくても、入山料を納めてお寺に入ればどなたでも入っていいそうです。
タオルがないので、タオルは持って行った方がいいですね。
困ったことがありました
実は、部屋にいると、スマホの電波が全く立たず、wifiもないので、スマホがほぼただの箱になってしまいました。。。
スマホ依存のわたくし、何でも調べればいいや~って思ってるのに、何にも調べられない。
このような境内案内図も、スマホで検索できないから探せないのです。
だから実は、真っ暗な境内で、温泉の場所がどこなのかわからず、それも怖かった。
そして、外湯から帰ってきて、ロビーに人が何人も座っているので私も座ってみると、
電波が2.3本立つじゃないですか!!!
喜んで、次の日にお会いする方や家族などにもLINEで連絡できました。
本当にこのまま電波が寸断されるのかと絶望的になっておりました。
結構長い時間ここにいましたが、身体がポカポカしていて、温泉すごいなと思いました。
ちなみに頼みの綱の公衆電話も故障中でした!
私にとっては恐山の霊より、電波がない事の方がよっぽど怖いです。
消灯時間になる前に、内湯に入って身体を洗わねば・・・
誰もいなくなったので、こちらも写真撮らせて頂きました。
すっごい広い気持ちいい温泉です。
洗い場もこんなにあります。
大人数が泊まっても大丈夫なようになってますね。
そんなこんなで消灯時間になり、部屋でちょっとだけ冷たいビールを飲んで就寝しました。
次の日、朝早く起きて境内を参拝したいのですが、どうなることでしょうか。
ということで、こんな長い記事を最後まで読んでくださりありがとうございます。
次は境内のご案内をさせて頂きますね。
おやすみなさい。